胎児は特別な仕組みによって成長、発育します。妊婦さんが食べたものが消化、吸収、分解され、胎盤とへその緒を通じて胎児へと伝わるといった仕組みです。つまり、妊婦さんの食べるものが胎児の栄養に、妊婦さんの健康が胎児の発育へとつながるのです。また、栄養素は赤ちゃんの発育だけではなく、胎盤、臍帯、羊水などの形成、出産と産後のための体力維持、母乳の確保など、妊娠中や産後全ての経過で重要なものとなるため、栄養摂取がどれほど大切かは明らかでしょう。妊娠期に必要な栄養素はどういったものがあるのか、どのようなものを食べれば良いのか、一緒に見ていきましょう🔍
妊娠期に重要な5つの栄養素
✔ たんぱく質
たんぱく質は、胎児の内臓と筋肉を生成するのに最も重要な栄養素です。ホルモンや免疫物質のような内分泌の合成にも必要な栄養素なので、十分に摂取するよう心がけてください。一般的な成人女性に必要な1日のタンパク質は約50gほどですが、妊娠中期からは10g、後期は25gを追加するよう推奨されています。牛肉🥩豚肉、鶏肉は100gにあたり20g以上のたんぱく質が含まれているので、脂肪が少ないもも肉や、むね肉を中心に摂取すると良いでしょう。豆腐、豆乳などの大豆製品や牛乳、ヨーグルトなどの乳製品🥛もたんぱく質が豊富な食材です。
✔ 葉酸
葉酸は水溶性のビタミンB群の一つです。神経閉鎖障害や無脳症の発症を防ぐ役割をするため、妊娠準備期間や妊娠初期に摂取することを勧奨されている栄養素となります。また、赤血球と細胞の生成と再生を助けたり、たんぱく質の合成を促す役割もあるため、胎児👶🏻の成長には欠かせない栄養素です。葉酸は成人女性は1日約240μg、妊婦さんはその2倍である480μgを摂取するようにしましょう。ほうれん草や菊名、アスパラガスは100gあたり約180μg含まれてます。葉酸は熱に弱いため、食事から勧奨量の全てを摂取することは難しい場合が多いです。葉酸の摂取量がすくないなと感じる場合は、葉酸サプリメント💊の併用も検討してみましょう。
✔ 鉄分
血液量の増加に伴う貧血を予防するために、妊娠中の鉄分の摂取はとても重要です。妊婦さんは胎児に栄養素を送るため、妊娠する前より血液量🩸が1.5倍以上必要となります。血液を構成するヘモグロビンを造るために必要なのが鉄分ですが、不足すると鉄欠乏性貧血や息切れ、めまい、立ちくらみなどを誘発します。ある程度の症状だと、胎児に大きな影響はありませんが、貧血の症状がひどくなると、赤ちゃんが低体重になる恐れもあるので注意が必要です。妊娠初期に必要な鉄分は、1日約9.0mg、妊娠中期から後期にかけては16mg以上まで増加します。鉄分が多く含まれている食材には牛肉、レバー、あさり、かつお、納豆、小松菜、ひじき、ほうれん草、切り干し大根などがあり、ビタミンC🥦を含む食品を一緒に摂取することで、鉄分の吸収もよくなります。
✔ カルシウム
カルシウムは健康な歯や骨を作るために必要なミネラルの一つで、胎児の骨と歯🦷骨格の形成に必要な栄養素です。妊娠中のカルシウムは摂取量は、一般的な摂取量と変わりませんが、不足すると母体の体内カルシウムが溶け出し、赤ちゃんの体の発育に利用されてしまいます。そのため、妊娠中のカルシウム摂取は積極的に行う必要があります。一般的なカルシウムの推奨摂取量は一日650mgで、牛乳200mlにあたり約220mg、ヨーグルト100gに約120mg含まれています。カルシウムは乳製品の他にも、大豆製品🫘、海藻、小魚、小松菜等などに豊富なので積極的に摂取するように心がけましょう。
✔ 食物繊維
食物繊維はネルギー源にはなりませんが、食後の血糖値の上昇を抑えたり、コレステロールを排出し、水分を吸収し便の体積を増やす役割をします。妊娠中に起こりやすい便秘トラブル🚽の予防にもなるので、積極的に摂取しましょう。成人女性は、1日約18g以上が推進されていますが、妊婦さんの付加量は特にありません。ごぼう、ひじき、大豆、おから、きのこ類、海藻類に豊富に食物繊維が豊富に含まれているので、こういった食材も意識して摂取するようにしましょう☝🏻