妊娠中はさまざまな検査を受けることになりますが、その中での「出生前診断📋」という言葉を聞いたことがある人も多いと思います。この出生前診断は、出産前に胎児が先天性の染色体異常などの疾患を持っているかを確認するもので、確定検査と非確定検査の2種類に分かれています。そんな出生前診断の一つでもある、母体血清マーカーについてこの記事では詳しく見ていきたいと思います🔍
母体血清マーカーとは
✔ 母体血清マーカーの検査方法
母体血清マーカー検査とは「出生前診断」の検査のひとつで、1994年から日本でも導入されるようになりました。母体から採血した血液🩸に含まれる特定の成分を調べることで、お腹の赤ちゃんに先天性の染色体異常がないかどうか、神経管に異常がないか、その確率を調べることができます。
3つの血清マーカーで検査するのがトリプルマーカー検査、4つの血清マーカーで検査するものがクアトロマーカー検査と呼ばれていますが、現在はより精度の高いクアトロマーカー検査が主流となっています。検査が実施できる時期は妊娠15~18週📅(トリプルマーカー検査は14週から可能)ですが、あくまでも確率を判定するための非確定的検査であることを理解しておきましょう🙂
✔ 母体血清マーカーの種類
母体血清マーカーは血液に含まれる2つ✌🏻の成分(AFP・hCG)を調べる「ダブルマーカーテスト」がはじめに普及し、その後確認する成分の数が増え「トリプルマーカーテスト」「クアトロテスト」が開発されました。現在では、AFP・hCG・uE3、InhibinA(インヒビンA)の結果を組み合わせる「クアトロテスト」が主流です。それぞれの成分は胎児や胎盤から妊娠中から生成される成分といわれ、妊娠経過が進むにつれて含まれる量が増えたり減ったりします。さらに胎児👶🏻に対象疾患がある時も量が増減が確認されます。
母体血清マーカーでわかる!?
胎児の先天性疾患
🧬21トリソミー(ダウン症候群)
21トリソミー(ダウン症候群)は、22組ある常染色体の中で、21番目の染色体が3本あることにより起きる疾患です。運動能力や言語機能🗣️の発達に遅れが生じることが多く、心疾患との合併症を引き起こしてしまうこともあります。その他にも、眼の障がいが生じる場合もあります。ですが、早い段階からさまざまなサポートや教育支援🤝🏻を受けることで、知能や身体面でも回復や向上が見られたという報告もあります。この21トリソミーは、高齢出産になるほど発症しやすいことがわかっています。
🧬18トリソミー
エドワーズ症候群とも呼ばれている18トリソミーは、22組ある常染色体の中で、18番目の染色体が1本多い3本あることで起きる疾患です。男児よりも女児👧🏻に多い疾患となり、その中でも約9割が心疾患を持っています。そのため、消化管の疾患など様々な合併症を伴うリスクがあります。また、18トリソミーに対する根本的な治療法は残念ながら見つかっておらず、多くは合併症に対する治療🩺が行われることが多いです。
🧠神経管閉鎖不全症
神経管閉鎖障害は、妊娠4週目から12週目📅ごろ(妊娠初期)に起きる赤ちゃんの先天異常の一つとなり、脳や脊髄などのもとになる神経管が作られる際に異常が起き、正常な管の形にならずに起こる障害です。症状としては生後、二分脊椎にて腰部の中央に腫瘤があることがとても多く、排泄や運動などに障害が生じることがあります。また、脳の形成に問題が起きる無脳症(むのうしょう)が起こることもあります😞