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甲状腺疾患があっても妊娠はできるの?

妊活を始めるにあたって、甲状腺ホルモンは妊娠や出産にどのような影響を与えるのか🤔、また胎児にも影響があるのかなど、特に甲状腺疾患をお持ちの方はしっかり理解しておく必要があります。今回は、甲状腺疾患と妊娠の関りについてお話していきます💁🏻‍♀️


甲状腺ホルモンとは

甲状腺ホルモンは、甲状腺という蝶々のような形をしたのどぼとけの下にある臓器から分泌されています。TSH、FT3、FT4の3種類があり、甲状腺受容体ホルモン🧬とも呼ばれるTSHは、甲状腺ホルモンの分泌をコントロールする役割があります。FT3とFT4が減少すると分泌量が増え、反対にFT3とFT4が増加すると分泌量は減るという特徴があります。甲状腺ホルモンは妊娠と出産、赤ちゃんの発達にも大きな影響を与えるため、安全で安心な妊娠と出産を迎えられるよう、甲状腺について事前に知っておきましょう。ホルモン異常が引き起こす病気は、以下の2つに分けられます☝🏻


🧬甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)

代表的な病名:バセドウ病、中毒性多結節性甲状腺腫、甲状腺腫

FT3とFT4の分泌が増えすぎてしまった状態を甲状腺機能亢進症と言います。体の代謝が異常的に活発になるため、脈が速くなり、ドキドキ、イライラ😖が続いて疲れやすくなります。代謝が上がり過ぎることで体重は減り、手の震えるなどの症状を伴います。甲状腺のあるのどぼとけの下の部分が腫れる場合もあり、まれに薬やヨウ素の過剰摂取が原因で発症するとされています💦

🧬甲状腺機能低下症(こうじょうせんきのうていかしょう)

代表的な病名:橋本病

FT3とFT4の分泌が少なすぎる状態を甲状腺機能低下症と言います。主な症状は、無気力、疲労感、むくみ、寒がり、記憶力低下、体重増加などが見られます。月経周期が乱れることで、過多月経や無月経にもなるのも症状の一つです😔


甲状腺ホルモンと妊娠

✔ 甲状腺疾患があっても妊娠できる?

卵胞の成長に大きな役割を果たすのが甲状腺ホルモンです。女性の生殖機能において、欠かせないものなのです。甲状腺ホルモンの分泌が増えすぎると排卵🥚までの日数が短くなります。反面、甲状腺ホルモンの分泌が少なすぎると卵胞が十分に発達せず、正常な周期に排卵がされないため無排卵月経や無月経になります。このように、甲状腺ホルモンの分泌が乱れることから妊娠の可能性が低くなるのです。しかし、適切な治療を行うことで妊娠することは可能です。もともと疾患をお持ちの方は、分泌量を正常範囲内にコントロール🔁しておくことで不妊の原因にはなりにくいと言われています。また、妊娠をしても治療を継続すれば、流産と早産、妊娠中毒症のリスクを疾患がない方と同程度まで抑えることができます。


✔ 妊娠中の甲状腺疾患との向き合い方

妊娠したら、甲状腺ホルモンは必要量は通常に比べると20~50%程度増加📈します。妊娠初期の胎児は甲状腺や脳の発達が不十分なため、自ら甲状腺ホルモンを作れません。胎盤を通して甲状腺ホルモンを供給するため、また胎盤を通過しながら、甲状腺ホルモンの一部は消失されるため、母体は通常より多く分泌する必要があるのです。また、母体が甲状腺疾患である場合、胎児に及ぼす影響を以下にまとめました📝

甲状腺機能亢進症の場合

流産、早産、妊娠中毒症、胎児発育不全、妊娠高血圧症など

甲状腺機能低下症の場合

流産、妊娠高血圧症候群、早産、常位胎盤早期剥離、胎児発育不全、分娩時出血の増加など


甲状腺ホルモンと妊娠はとても深い関わりがあり、出産や赤ちゃん👶🏻の成長、発達においても欠かせないホルモンです。甲状腺疾患があるからといって妊娠できないというわけではありません。しかし、疾患を抱えながら妊娠するということは、リスクを伴うため適切な治療を受けることがとても大切です🏥